314日、伊那小学校の礼組の2人の男子児童が「館長さんいらっしゃいますか?」と元気よく訪ねてきました。

昨年9月7日に当館の美術展示ホールで、開館25周年記念事業の一環として発表の場を提供させていただいたお礼のため。もう一つは、201431日、小ホールで卒業記念公演を行った際、鑑賞に来てくれたお礼だという。

なんとも律儀な子どもたちだろう。それだけではない、原稿用紙1枚にしたためたお礼状です。

ここまでの話、何のことか分からない方が多いでしょう。礼組の生徒は、自ら郷土の偉人・御子柴艶三郎にまつわる話を聞き集め、脚本にして舞台に立った。各地区の公民館などでも上演をしながら技術を高めていった。97日は、当館附属劇団「南信協同」が演技指導をさせていただいた縁で学校区の枠を超えた発表の場として当館の美術展示ホールを提供したものだった。

幾度かこの作品を観ていると、脚本、演技力、舞台周りなどかなりなレベルに驚いた。

当然、31日の卒業公演では、大きな舞台にも関わらず、大成功だった。立ち見の観客が出るほどだった。

卒業おめでとう。上演大成功おめでとう。二人の来館に至る経緯は分からないが、既にショービジネスの心得を十分持っている。いやそれ以外に注目すべきは、地域性、郷土の偉人発掘、保存・継承など大人が必至でやろうとしていることをすべて網羅している。

彼らの手紙にこんなことが書いてあります。「市長さんに意見文を出し、もっと地域の先人に関心を持ってもらうことです…」とある。この演劇の活動を通じて彼らが感じた生の意見であることに私たち大人は心を動かさざるをえない。いかがでしょうか。

最後に、礼組の皆さんの今後のご活躍をお祈りいたします。担任の先生もご苦労様でした。

長野県伊那文化会館  館長 山北 一司